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2023.8.19
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  • P4Cってなに?

    世田谷区の英語学童「インターナショナル・アフタースクール コトリバ駒沢校」です!
    コトリバはインターナショナルアフタースクールとして、専門的なネイティブと日本人バイリンガル講師の双方での指導・レッスンに特長があります。「英語で学ぶプログラミング」のように「英語で○○」といったレッスンが多いのですが、その中にあって「母語をベースにして考える」というポイントを重視した授業も実施しています。これが「こどものための哲学 P4C Little Thinkers」のレッスンです。

    P4Cの背景とは?(海外の事例)

    「こどものための哲学」と聞くと、少し難しく堅苦しい印象を受けるかもしれません。どんなものか想像しにくいという方もいるでしょう。P4Cは子どもたちの意見が活発に出る、参加型のレッスンです。P4Cは日本へ本格的に紹介されてまだ比較的日が浅い、新しい教育法ですが、このアプローチを通じて、「思考力」「表現力」「傾聴力」「共感力」「対話力」の育成が期待できる優れたプログラムです
    もともと、このプログラムは1960年代〜1970年代にコロンビア大学のマシュー・リップマン教授によって開発されました。1970年代の終わりには、実験的な取り組みを含め、アメリカ全土で約5,000の教室でP4Cが取り入れられていました。そして今や50カ国以上でこの授業が導入されていると言われています。

    例えば、イギリスでは、P4Cが学校のカリキュラムの一部として組み込まれ、子供たちの批判的思考やコミュニケーション能力の向上が報告されています。
    具体的に言うと、イギリスでP4Cが学校教育の中で導入されているのは、1980年代からのことです。教育基準評価機関Ofsted(Office for Standards in Education, Children’s Services and Skills)もP4Cの取り組みを評価し、いくつかの学校での成功例が報告されています。このプログラムは、特に子供たちの批判的思考やコミュニケーション能力の向上に寄与しているとされています。また、”SAPERE” というイギリスの団体がP4Cの普及・推進を担っており、彼らの資料によれば、P4Cを導入した学校では、子供たちの学業成果が向上したとのデータも示されています。

    出典: SAPERE website

    また、オーストラリアでは、多文化的な背景を持つ子供たちの間で、P4Cが共感力や対話能力の育成のための有効な手段として注目されています。オーストラリアの多くの学校がこの方法論を導入しており、特に多文化的なクラス環境での対話や共感の促進に役立っているとの報告があります。また、オーストラリアの教育・トレーニング団体「FAPSA(The Federation of Australasian Philosophy in Schools Associations)」がP4Cの普及・研究を行っています。

    出典: FAPSA website

    世界では様々な国が「P4C」を取り入れているの。特に欧米では昔から導入されているのよ!

    日本においてのP4C

    日本では1990年代からの導入が始まりましたが、海外の取り組みを参考にしつつ、進められてきたようです。最近ではNHK でも取り上げられ、注目されつつあります。
    しかし、まだ公教育において十分に認知され、実施されているとは言い難い現状もあります。
    日本において、P4C(Philosophy for Children)のアプローチや手法を取り入れている民間の教育機関や事業者も僅かではありますが存在しています。一般的に、民間の教育機関やアフタースクール、教育関連のワークショップやセミナーでP4Cを提供している事業者が増えつつある、といった状況です。これは、学校教育だけでなく、放課後や休日に子供たちの思考力やコミュニケーション能力を高めるためのプログラムとして需要が増えているためです。

    とはいっても、まだまだ日本ではP4Cは浸透しているとは言えないな!
    それだけに私たちのような民間教育の事業者がリードしていかなければならないの。本当に優れたプログラムだからこそ、もっともっと多くの子どもたちの「学び」に貢献したい!

    P4Cの具体的な授業方法

    コトリバで行う「こどものための哲学」のレッスンには、独特の「方法」が存在します。担当講師(ファシリテイター)が専門的なトレーニングを受けた上で、この「方法」に基づいて進行します。コトリバのP4Cは特に年長~小学生低学年の幼児・児童を対象としており、子供たちの興味を引くテーマが選ばれます。この授業中、子供たちは自分の考えを発展させ、友達との対話を深めます。特定の「コミュニティ・ボール」というアイテムを持っている子だけが話すことができ、それにより「発言する機会」と「聞く役割」を明確にするという独特の方法が採用されています。
    似たイメージとして学校教育の「道徳」をイメージする方もいるかもしれませんが、私たちの考えとしては、小学校の教科「道徳」とは似て非なるものです。
    この辺のお話はまた別の機会にしていきたいと思っています!

    今後のP4Cの役割

    今後ますます複雑で混沌とした社会に替わりつつある中で、P4C(こどものための哲学)が幼児・児童のスキル向上にどのような良い影響をもたらすか、考えられる点を以下に挙げたいと思います。

    1.思考力・判断力の養成
    P4Cのセッションでは、参加者が自らの思考や意見を明確に表現し、他者の意見を尊重しながら考察することが求められます。これにより、情報を受け入れるだけでなく、それを基に自ら考える力や、異なる視点を持つ他者とのコミュニケーション能力が育成されると考えられます。

    2.問題解決能力の向上
    P4Cでは、具体的な答えが存在しない哲学的な問いを探求する過程で、複数の視点や考え方を受け入れながら、共同で問題解決を図ります。これにより、日常生活や将来の仕事場での問題解決スキルの向上が期待されます。

    3.対人関係の深化
    P4Cのセッションでは、異なる意見や背景を持つ他者との深い対話が行われます。これにより、他者を尊重する態度や、共感力、チームワークの重要性を実感することができると考えられます。

    4.多様性の尊重
    日本は長らく一文化的な国として認識されてきましたが、近年、多様性が増加しています。P4Cは、異なる背景や価値観を持つ人々との対話を通じて、多様性を尊重する姿勢を養うことができます。

    5.持続可能な社会の構築
    未来の社会課題に取り組むためには、批判的思考や倫理的判断が不可欠です。P4Cは、これらのスキルを養うための良いプラットフォームとなると考えられます。

    6.生涯学習の推進
    P4Cは、知識を蓄積するだけでなく、知識を活用して思考することの重要性を教えてくれます。これにより、生涯を通じて学び続ける意欲や習慣が育成されると考えられます。

    最後に、日本の教育現場では、これまで伝統的な知識伝達型の授業が主流でしたが、21世紀の社会課題に対応するためには、P4Cのような対話型・探求型の教育手法が必要とされています。この背景からも、P4Cが日本社会において子どものスキル向上に良い影響をもたらす可能性は高いと考えられます。

    同時に現代社会はSNSの普及や、いじめなどの問題が増加しています。このような状況の中で、私たちコトリバは、P4Cのようなプログラムが子供たちにとって必要不可欠であると感じますし、より多くの子供たちにこの授業の価値を体感してもらいたいと考えています。興味を持った方は、是非とも体験レッスンに参加してみてください。

    過去のP4Cに関する記事はコチラから!

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