自己肯定感が低い日本の子どもたち
インターナショナル・アフタースクール「コトリバ学芸大校」です。
今回のテーマは「自己肯定感」です。
先日、こどもの教育に関わる様々な情報を探していたら、気になるデータがありました。
2015年のデータなので、結構、前ですね。もしかしたら時間が経過して、少し現状と差異があるかもしれませんが、国立青少年教育振興機構が発表した「高校生の生活と意識に関する調査」から引用します。
日本、米国、中国、韓国の4か国の高校生を対象に「自分はダメな人間だと思うことがあるか」(直截的すぎる…)を尋ねた質問項目がありました。
最も低かったのは(「とてもそう思う」+「まあそう思う」の合計)、韓国で35.2%でした。
次いで米国45.1%、中国56.4%と続きます。日本の高校生は…というと72.5%。ダントツに高い割合で、「自分はダメだ…」と思っているということになります。何とも切ない結果ですね。
韓国の高校生では、自分がダメな人間だと「とてもそう思う」が5%、20人に1人しかいないのに対し、日本では25.5%、およそ4人に1人が自分をダメ人間だと思っていることになります。
では、なぜ日本の高校生は、自分のことをダメだと思ってしまうのか。
少しさかのぼって小学生のデータで比較してみましょう。
これはかなり古いデータで、6都市(東京・ソウル・北京・ヘルシンキ・ロンドン・ワシントンDC)の小学生に対する2006年の調査です。(ベネッセ教育総合研究所:学習基本調査・国際6都市調査 [2006年~2007年])
6都市中、成績の自己評価を高いと選択した小学生の比率は、東京が一番低く22.3%でした。続くのはソウル29.9%、北京34.8%です。一方、ヘルシンキ(40.3%)、ロンドン(43.2%)、ワシントンDC(54.9%)といった欧米3都市の小学生は、非常に高い自己評価だという結果が出ています。
高校生になる以前、小学生の段階で、すでに自己評価が低い傾向が見て取れるわけです。
こうなると、やはり小学生段階までの過ごし方が鍵になってくるような気がします。
さらに古いデータで恐縮ですが、1993年、当時の文部省が実施した「家庭教育に関する国際比較調査」では、10~12歳の子どもをもつ親で「子どもの成長に満足している」という割合が日本では4割に満たない結果でした。
ちなみに米国、英国、スウェーデンでは8割を超えています。
私たちがこれまで「民間教育」に携わってきた経験上、こどもの自己肯定感を育むには、幼児から小学校低学年に至るまでの経験が大切だと考えています。特に自発的な行動を通して成功体験を得ることは、不可欠だと思います。
コトリバでは、様々なレッスン、アクティビティを通じて、まず、こどもが「好き」を発見するお手伝いをしています。普段、ご家庭ではなかなかできそうにないこと、忙しい親御さんになりかわって、特定のジャンルにこだわらない学び(=遊び)のコンテンツを用意して、お子様たちに実体験してもらいます。
そして、たくさんの「好き」を通じて「得意」を見つけてもらう。
一つ集中して「好き」➡「得意」を極めるこどももいれば、マルチに「好き」・「得意」を見い出すこどももいる。
大事なのは内発的でパワふるな好奇心を育むこと。コトリバが大切にしている理念の一つです。
さて、最後にもう一つ切ないデータを紹介します。
前出の日本・韓国・中国、米国の高校生を対象に行なった国立青少年教育振興機構の意識調査では「私は価値のある人間である」という質問に「YES」と答えた割合は韓国83.7%、中国80.2%、米国83.7%に対して……日本でYESと答えた高校生の割合は44.9%でした。
どうにかしないといけない、と考えるのは私たちだけではないと思います。
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